ほりゆうじ - PASSENGER ~ トイレを借りに来ただけの男 ~ [Official Video]<Setouchi Hitomebore Series episode 1>
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 Published On Sep 1, 2023

出演:ほりゆうじ、Reina

撮影:山崎夏樹
制作補:サライジュンスケ
CA:オチダシュンスケ
AD:田村柾也
協力:岡山県フィルムコミッション協議会、渋川カブーロ 浜茶屋、エル マルアッチ

監督:カンパニー松尾

【カンパニー松尾監督コメント】

現在公開中の映画『ドキュメント サニーデイ・サービス』の撮影中に知った
ほりゆうじさんの歌を、映画の宣伝にかこつけMVにしました!
結果、映画とはあまりにも内容がかけ離れてしまいましたが、
僕的には映画と同等以上に気合を入れて作りました。
瀬戸内の綺麗な海をバックに送る、夏の終わりにぴったりなMV、しかも3部作です。
大きな心でお楽しみください!

【カンパニー松尾監督プロダクションノート】

ほりさんの歌を初めて聴いたのは、サニーデイ・サービスのツアー中、
ベースの田中さんが運転するハイエースの中だった。
2021年の3月か4月、北海道を走り回ってた時か、新潟の帰りか、記憶は定かではないが、
田中さんのプレイリストから流れてきたその歌たちは、ダイナソーJr.やシューゲイザーやバンダナボーイとか歌ってて、気だるい長距離移動の車内を少しにぎやかにした。
「なんですかこれ?」と田中さんに聞いたら、ほりゆうじさんだと教えてくれた。
兵庫県姫路在住のシンガーソングライターで、キャリアも長いが、今、まさに聴いてる曲たちが今度、ROSE RECORDSから発売されるアルバムからの新曲だと。
ええ、新曲だったの?最初てっきり昔の歌だと思ったので、まずそこに驚いた。
すぐ、ほりさんの姿も、検索して見てみた。そしたら普通…ルックスが無茶苦茶、普通…ただし、すごく曲者の匂いがした。
何曲か聴いて、これ、アルバム全曲カラオケみたいなMV作ったら面白いだろうなあと、映像が思い浮かんだが、当時、こちらはツアーの真っ最中、しかも、どうまとめるかわからないまま、ただやみくもにライブを追っている段階だったので、ほりさんへの興味はそこで一旦、頭の隅に追いやった。

その後もサニーデイの撮影は続き、年を越え、ようやく2022年夏に大まかな編集を終えた頃、
あの時、車内で聴いたほりさんの歌たちは、アルバム『FORMATION X』としてROSEから発売されていた。
あらためてアルバムを聴いたが、やっぱり最高だった。
それでも編集の直しがちまちまと続き、何バージョンか作って、2023年の頭にようやく、
2月末の情報公開と7月の劇場公開が決まった。ここでようやく一息ついた。

そこから宣伝の話になって、ROSEさんから「7月の映画公開まで時間があるので、話題作りに、松尾さん監督で、サニーデイのニューアルバム『DOKI DOKI』から何本かMVを作りませんか?」という話になった。
もちろん「やります!」と答えた。そこでそれまでずっと映画脳だった僕の思考回路が切り替わり、なぜだか、ほりさんの存在がむくむくと頭をもたげた。
「映画の公開に繋げる」というお題に対しては本末転倒だが、「このチャンスを利用してついでにほりさんのMVを撮れかもしれない」と思ってしまったのだ。自分でも意味不明だが、もうこの恋は止められない(ほりさん風)。
なので、まず作戦として、最初はバンドのカッコよさをシンプルに伝える『ノー・ペンギン』を企画し、次に曲の良さを引き出しつつ、バンドが登場しない形で伝えるMVとして『家を出ることの難しさ』を企画、編集した。
(あれは僕、撮影してないです。異なる2組のカップルに、同じテーマで撮り下ろしてもらった映像を僕がミックスしました)、
最後にほりさんのMVを作るために(ほりさんの曲と同時撮影可能な曲として)『メキシコの花嫁』を選んだ。
そして、この『メキシコの花嫁』が単独ではなく、ほりさんのMV2本と繋がったオチになる、
通称、setouchi hitomebore series (瀬戸内一目惚れシリーズ)を構想した。

発想の源は色々あって、まずひとつはほりさんが姫路在住なので、関西地区でロケを考えたこと、サニーデイのツアー中に瀬戸大橋を車で何回か渡った時、曽我部さんが浪人時代、坂出から岡山に電車(映画本編で出てくるマリンライナー)で通っていて、当時、その車中で『瀬戸の花嫁』が流れていたことを聞いたこと、ほりさんの曲で、一番POPな『ジェラシー・オブ・カリビアン』という曲があり、サニーデイのメキシコとほりさんのカリブという共通項を見つけたこと。
岡山に映像制作の仕事をしている知り合いがいて、その人に岡山の瀬戸内の綺麗な海をカリブ海に見立てて撮影出来そうな場所(渋川海岸)を教えてもらったこと。
最後のトドメは、瀬戸内一目惚れシリーズに最も重要な役割を果たす花嫁役を、現地岡山で見つけたこと。
それは最後のピースで、なんと、『ノー・ペンギン』のMV撮影で岡山まで同行した帰り、岡山のメキシコ料理屋さんを検索して、飛び込みでお邪魔して、そこで働いていたアルバイトのレイナさんに事情を説明して出演OKをもらったのだ(奇跡)。
そんなこんなが繋がり、ほりさん(PASSENNGER)が、瀬戸内の綺麗な海と海岸をバックに、
偶然立ち寄った店で一目惚れしたレイナさんと恋に落ち、デートにこぎつけるが、ジェラシー(オブ・カリビアン)を抱き、最後は(メキシコの)花嫁として...そんなストーリーが出来上がった(完璧!)。

とんとん拍子に話は進み、各所調整もうまくいき、2023年5月、これまたサニーデイの岡山でのイベント出演前の移動日を利用して、バンドパートを1日、残りのほりさん、レイナさんパートを1日、合計2日で3本のMVを撮った。
天候にも恵まれ、瀬戸内の海をバックに撮影は順調に進んだ。
レイナさんもほりさんも演技は初めてだったが、こちらの無茶な要求に笑顔で応えてくれた。
サニーデイの面々も演者としてやりきってくれた。
ホント、この撮影はただただ、楽しく終わった。

こうして完成した瀬戸内一目惚れシリーズだが、あらためて見てみると、内容は、ほぼカラオケビデオだし、そもそもほりゆうじって誰よって感はあるし、映画の宣伝にはまったくなっていないので、公開はこの時期になった。
まあ、何が言いたいかというと、とにかく、これをきっかけにROSE RECORDSから発売されてるほりさんのアルバム『FORMATION X』を聴いて欲しいと。PASSENGER 、カリブは序の口、全曲名曲ですから。(関西方面の方は、ほりさんのライブにもご参加ください)
僕が、サニーデイのツアー中にほりさんに出会ったように、今度はみなさんが、ほりさんに出会う番です(だいぶ強引ですが)。
そんな楽しみがサニーデイ・サービスやROSE RECORDSにはあるのです。

あと、最後になりますが、映画『ドキュメント サニーデイ・サービス』もおかげさまでプチムーブオーバーしながら続いています。
まだこれから公開される映画館もあるので、公式HPをご確認いただきご参加ください。
また、いうまでもなく、サニーデイのバンド活動も続いています。
最新、最高のサニーデイ・サービスのライブにも是非足を運んでください。
バンドも映画も暑さも続く、夏の中で。

2023年8月 カンパニー松尾

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こんにちは、曽我部です。

カンパニー松尾監督によるMV三部作<setouchi hitomebore series (瀬戸内一目惚れシリーズ)>が公開になりました。

松尾監督の思いが横溢するこの三部作は、ぼくらの「メキシコの花嫁」に加え、友人のシンガーほりゆうじくんの「ジェラシー・オブ・カリビアン」と「PASSENGER~トイレを借りに来ただけの男~」からなるものです。
内容は観ていただくとして、どんなふうにこの作品が出来上がったか、少しだけ綴らせてください。ぼく自身の備忘録としても。

ある日、ハマジム(監督の制作会社)のオフィスで松尾監督が「サニーデイの『メキシコの花嫁』のMVを撮りましょう」とぼくに言いました。
「いいですね。撮りましょう撮りましょう」とぼくが返すと、次に監督は少々小声になって真面目な顔で「で、実はですね」と、これは誰にも言ってないすごい儲け話があるのです、というような調子で言ってくるので、ぼくも真面目な顔になり、「はい・・・」と監督に顔を近づけたのです。

すると松尾監督は神妙な面持ちのまま、「でね、曽我部さん。この『メキシコの花嫁』と同じ予算とスケジュールと座組みでもう一本ほりゆうじさんの『ジェラシー・オブ・カリビアン』のMVが撮れるんです。撮れちゃうんです」とぼくの目を見つめておっしゃいました。
ぼくは最後に付け加えられた「撮れちゃうんです」という言葉の静かな迫力に押され、「・・・はい!」と答えました。

松尾監督はサニーデイのドキュメンタリーの密着中に機材車の中で田中くんが爆音プレイするほりゆうじくんの最新作『FORMATION X』(このCDのライナーノーツは田中が書いています)に魅せられ、この姫路に住む40代シンガーソングライターの大ファンになっていたのです。
監督曰く、サニーデイとほりくんがどちらのMVにも出る2本の連作になるとのこと。初めての方法で、ぼくはワクワクしました。

そんなわけで瀬戸内ロケのスケジュールが決まっていきました。青い空と海と広い海岸線、それが監督の求めるところでした。あと、そう、かわいい女の子。
「女の子、どうするんですか?」と何気なく聞いてみると、監督はやっぱりプロっぽくない人を求めているようでした。

ある日、中国地方でのライブの帰り道にぼくの車に同乗していた監督が「この辺にロケで使えそうな本場メキシコっぽいタコス屋さんがあるから寄ってみます」と、街なかで車を降り、テクテクとそのお店まで一人で歩いて行きました。ぼくが車で待っていると、しばらくして監督が戻ってきました。
「なかなかいい雰囲気で、撮影もさせてくれそうです」
「よかったですね!」とぼく。
「でね、曽我部さん。店員さんでかわいい女の子がいたんですよ、ハーフでね。映像にも興味あるって言ってます。ちょっと一緒に観に行きませんか」
監督はなんとこの短時間にロケ場所に加え、主演の女の子もゲットしていたのです。カンパニー松尾の凄さを改めて思い知らされた夜でした。

撮影当日、その主演のレイナさんはとても素敵で、ビシッと決めたほりくん(撮影に向けて走り込みなんかをしたらしい!)もカッコよく、ぼくらもメキシコっぽい衣装に身を包んだり、ニセジョニーデップになってみたり、そしてなんと言っても最高のお天気で、思い返すとなんだか瀬戸内を舞台にした映画のワンシーンに自分がいたような錯覚を覚えます。

ダンスシーンがあるので、完璧に覚えてきたというほりくんにぼくら3人はレクチャーを受けました。
砂浜で、海辺のカフェの大きな窓ガラスに自分たちを映しながら踊りました。ここはもっとこう、などと言いながら、四人のおじさんたちは遅れてきた青春映画の中にいたようです。
そこにレイナさんが来て、5人全員で踊ってみると、やっぱりレイナさんのダンスのグルーヴは全然すごくって、おじさんたちは「お〜〜〜〜〜〜〜」と低く感心したりして、少々いましろたかし先生の漫画の一場面のような感じの、純であけっぴろげな気持ちよさが全てを包んでいました。
すべてに松尾監督のマジックがかかったような1日でした。

そうそう、途中から2本の連作のはずだったMVは、いつの間にか「三部作」になるようでした。

そんなふうに出来上がったMV三部作<setouchi hitomebore series (瀬戸内一目惚れシリーズ)>です。
楽しんでいただけたら幸いです。

ps
カンパニー松尾監督作『ドキュメント サニーデイ・サービス』はまだまだ全国で公開中です。ぼくたちはと言えば、これからまた全国を回るツアーに出ます。
街のどこかで、会えたら嬉しいですね。

曽我部恵一

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